自然素材ミツロウでくるくるキャンドル作り! 材料&レシピ&キャンドル

ミツロウってなんでしょう?

こう質問をすると、「ミツバチが作るロウ…?蜂蜜のロウ…?」という自信なさげな答えが返ってきます。更にどうやって作ってるか知ってる?と聞くと 答えられる人はあまりいません。ミツバチが蜂蜜を作ってくれるってことはよく知られているけれど、蜜蝋はちょっとマイナーな存在なのでしょうか。

これが蜜蝋です。

 
蜜蝋
 

そう、巣そのもの。ミツバチの巣は蜜蝋でできています。

ハチがぶんぶん飛んで集めた花の蜜、水分を飛ばし体内の酵素を混ぜて蜂蜜に加工します。そ のできあがった蜂蜜を体内に入れて、お腹の部分にある蝋腺という器官からロウを分泌します。これに大あごで酵素を加えこねて、作業しやすい柔らかさにして 巣を作っていきます。自分自身の体で住む家の材料を作れるってすごいことですよね。

でもロウを作る為には約10倍のハチミツが必要なのです。1匹のミツバチが一生のうちに作る蜂蜜はティースプーン1杯分といわれていますから、ロウはほんの少ししか作れない貴重なものなのです。
 

どうやって採ってるの?

 
 

蜂蜜の糖度があがっておいしくなったらミツバチは巣穴に蓋をして保存します。この蓋ももちろん蜜蝋でできています。はちみつをしぼる時、この蓋をナイフで削いで中の蜜を取り出すのです。

 

この削いだ蜜蝋を大事に取っておきます。でも蜂蜜をしぼった後の巣板はとってしまわずに巣箱に戻します。一からまた巣を作るのは大変な労力ですし、その分蜂蜜の生産量がさがってしまいますからね。

この他に、ミツバチは春の元気な時期に巣を拡大しようとして巣箱からはみだして巣を作ります。

ハチを飼っている方からすると巣箱の外に作られては、蜂蜜を取るのに不便なのでこれらを「むだ巣」と呼び、撤去します。この「むだ巣」も利用します。


長年ミツバチが使用した巣はプロポリスなどがまざって茶色っぽくなりますが蜜蓋やむだ巣は白っぽく不純物も少なくてきれいです。これらを集めて、精製します。

温水で洗って不純物を沈殿させ,蜂蜜などの水溶性の成分を溶かし出します.これを徐々に冷却して固め,取りだして自然乾燥させます。

融 解したろうに活性炭などを入れ,加熱・加圧してフィルターを通します.細かなゴミや花粉,色素などが活性炭に吸着され,またフィルターで漉し取られます。 はちみつのような甘い香りがして黄色っぽいものはこの段階の蜜蝋です。この後脱臭・脱色すると白い精製みつろうができあがります。蜜蝋は色々なものに使わ れています。

 
 

精製の度合いや花粉の種類などによって、色はもちろん香りも違います。

 

 

 

蜜蝋って何に使われているの?

 
 

よく知られているのは「蜜蝋キャンドル」ですね。古代から作られており、中世ヨーロッパの教会では信仰の象徴的なあかりとして欠かせない存在でした。

それから化粧品にもよく使われています。保湿効果、抗菌作用があるのでクリームなどに向いています。食べても安全な素材なので食品添加物としても使われて いますし、薬にも入っています。こどもが口に入れてしまいがちなクレヨン、これも蜜蝋でできたものが販売されています。

他には木製品のワックス、皮の加工や染めもの、彫金などの物作りの分野でも活躍しています。工業用としてはCDの原盤の製造にも使用されています。

 
 
ミツロウクリーム

akarizm自作のミツロウクリーム。何かと愛用中。

 

ミツロウキャンドルについて

日本で養蜂が始まったのは明治時代だった為、それまで蜜蝋キャンドルは使う習慣はありませんでした。ウルシやハゼの実から採取した木蝋を使った「和 ろうそ く」が室町時代頃から使われ、江戸時代に普及しました。が、庶民には高価なものであったため植物油や動物脂に灯心を浸して明かりをとっていました。

今日本で市販されているキャンドルのほとんどは石油精製品のパラフィンという素材でできています。質のよいものであれば身体への影響はありませんが粗悪な パラフィンを使ったキャンドルは嫌な臭いがしたり、有害性の物質を発生させる恐れがあり、人体や環境に悪影響を及ぼす可能性があります。


現在でも蜜蝋は高価で国内生産量も少ない為、蜜蝋キャンドルは一般的とはいえません。養蜂家にとって蜜蝋をとるのは手間がかかる割に利益があまりないとい う現状もあるようです。が、古い巣板を定期的に交換することはミツバチの健康の為にもよいことなので蜜蝋をもっと生産利用したいですね。

 
 

蜜蝋キャンドルは太陽のあかり

 
 
 
みつばちがたくさんの花を回って蜂蜜を作り、蜜蝋を作る。その花が咲く為には太陽や雨や土やその他の生き物たちの働きが欠かせません。

蜜蝋キャンドルのオレンジ色に輝く炎を眺めていると、闇を照らすあかりの向こう側にそれらの大きなつながり見えるのです。目の前のロウソクになるまでに経 た時の流れが、揺れる炎が作り出す空間をよりいっそうゆったりとしたものにしてくれます。古代から続く蜜蝋キャンドルのあかりは自然の力の賜物です。ぜひ 灯して特別な時間を過ごしてみてくださいね。



みつろうシートとは